保存中です。画面が切り替わるまでは、このページを閉じないでください。
2022年04月26日

AnTytle動画の編集基礎

企画の考え方

過熱市場のYouTubeでは、確実に伸びる企画というものは存在しません。「これはいける!」と制作側が満を持しても、その希望はよく絶望に変わります。これがYouTubeの前提となります。

これを踏まえた上で、企画を考えていきます。伸びる要素としては
・意外性、ギャップがある
・視聴者の想像を超える
・ゲラゲラ笑えるか
・誰よりも詳しいか
・誰もやっていないか

となります。

サムネの方針(2023年3月~)

視聴者の受けが良いので、現在はイラストを基本としたサムネに統一します。
その中で特に「キャラのイラストサムネ」「情景イラストサムネ」の2つの構成があるので、どちらで行くかをまず考えます。
周りの景色やキャラの仕草に自由度があるため、他のYouTuberが真似できない特殊なサムネに仕上げることができます。
キャラをダイナミックに写した構成です。一瞬のインパクトで視聴者の目を引き付けることができますが、イラストの質が求められます。

企画とキャラの表情を合わせる

これはインパクトのあるサムネを作る上で重要です。
例えば「ゲームの恐ろしい敵」という企画のサムネに次のようなキャラ素材を使うとどうでしょう?
・笑顔のピースしたキャラ
・ハイテンションて仰天した表情のキャラ
・無表情のキャラ
まるで企画と合いませんね。

「恐怖」がこの企画のポイントとなるので
・怯えているキャラ
・恐ろしい形のモンスター
・ゾッと冷や汗かいているキャラ
などが適切です。
これらの素材の表情に気をつけましょう。

公式素材はそのまま使わない

公式素材の形をそのまま使うのは今後の方針でやめにしましょう。
これは他のYouTuberが簡単に真似できる没個性サムネで、企画がずば抜けていない限り伸びません。
イラスト加工するにせよ、何かしらの表情の改変を行い、オリジナルのものに仕上げましょう。

ネタの探し方

例えば「スプラトゥーンの小ネタ」の企画でネタを探すとします。以下の6つを徹底して調べ上げましょう。
1. Google日本語検索「スプラトゥーン 小ネタ」「スプラトゥーン 裏技」「スプラトゥーン バグ」
2. Google外国語検索「Splatoon easter egg」「Splatoon Glitch」「Splatoon bug」「Splatoon hack」
3. Google画像検索で上記ワード。小ネタが写っている画像が出てきたり、通常検索にはない情報が見つかる。
4. YouTubeで上記ワード。Google検索では動画のヒットに限りがあるため、YouTube内で検索すると幅が広がる。
5. Twitterで上記ワード。Google検索にはヒットせず、かつ個人的なつぶやきが多いため、まだ広まっていない新情報が多い。
6. 自分の頭の中にあるネタ。プレイしていると自分だけが出くわす小ネタやバグなどもあるため大切にする。

扱うネタの軸を考える【重要】

見落としがちなので、要注意ポイントです。
下の3段階を例に、もっと絞れないかどうかを常に心がけましょう。

伸びない前例動画
2年で7万再生なので、初動はほぼない。
https://www.youtube.com/watch?v=nSo1xlpG-a8
バグ技の範囲が広すぎて、ただバグを寄せ集めたカタログ動画になってしまいます。これでは視聴者もあまりみてくれず、自己満動画に終わってしまいます。ここから絞ることが重要です。
任天堂のバグの最狂だったバグに絞ることで、最悪なバグを集めた衝撃動画であることを視聴者に伝えられます。ここまで絞ることを最低ラインとし、ここからもう一歩絞ることができれば、企画として上質です。
任天堂の最狂バグの中の「データ消失」に絞ったことで、これ以上ない最悪のバグを集めた動画になります。ここまで絞ることができれば、長期的に再生数もほぼ確定で伸びてきます。頑張りましょう!

伸びやすいゲームの選定方法

特に1作品だけを扱う動画では、伸びる傾向にあるゲームを選ぶ必要があります。
YouTubeにおいて伸びるゲームとは
・息の長いメジャーゲーム
・クソゲー、バカゲーなどパンチのある作品
・最近話題になっているゲーム



上記3つが大きく伸びやすいゲームですが、さらに考える要素があります。
・半年以内に発売されたゲームかどうか
・国内の動画(実況以外)の最近1ヶ月の再生数が10万を超えているものがあるかどうか
・ただし実況動画だとしても、複数チャンネルがこぞってアップして業界を盛り上げている感があればイケる!
・3Dゲームかどうか。レトロ(90年代以前)ではない2Dゲームはどれも伸びない(アンテ以外)
・息の長いシリーズ作品かどうか(結構重要)



上記4つを目安に、どの程度当てはまるゲームなのかを考えてみてください!


テラリアは2011年発売の2Dゲームで、近頃の他Tuberの動画が数千再生ということなので、伸びるという観点では1万再生を下回る。

VALORANTは、確かにメジャーゲームで世間的に知られているゲームですが、伸びにくい作品です。
さらにもう一つ考える要素があるからです。
・一般的なプレイングの動画ネタであるかどうか?


調べてみると、VALORANTは「IQ200集」といったまとめ動画が伸びていますね。これならいけるじゃないかと確信できそうですが、落とし穴です。この動画はプロ選手たちの最強シーン集であり、一般のプレイングとは訳が違います。例えばワールドカップには誰もが惹かれるけど、U23リーグを見る人はほぼいないというようなことと同じです。eスポーツ的に流行っていることと、YouTubeで伸びることは別の話であるので注意しましょう!

タイトルの時点で悪い例と改善案

「レースゲームのクラッシュ集」「リアルに壊れるレースゲーム集」→実写のクラッシュ動画はかなり伸びていますが、ゲームでは誰もが経験できることなので、そこに先述の「伸びる要素」がないのが難点となります。まれに一部伸びている動画もありますが、まぐれ(チャンネルの他の動画が数百再生)であったり、実況での面白さという理由で伸びています。

「ゲームの綺麗な景色」→動画における景色需要はほぼないため。他のYouTuberで10万再生以上伸びている人が1人もいないため。ただ綺麗な景色を見せ続ける動画は、制作者の自己満足になってしまうのです。

「ゲームの可愛いキャラ集」→これは「ひねり」がないため、タイトルの印象が薄くなっています。「ひねり」という言葉は今後よく出てくるので意識してください。ここでいう「ひねり」とは、先述の企画意識「意外性、ギャップがあるか」以下の要素を取り入れるということです。

改善案
「壊れ方が一番酷かったゲームTOP10」「ゲーム界屈指の大クラッシュ集」
※「クラッシュ」という言葉はゲームと合わせると突然インパクトが薄まるので、他の単語を使うorインパクトで押し切ると良い。こういう感覚的な要素がYouTubeには無数にあるので、メンバー間での成果と議論が重要となる。

「ゲームの可愛いキャラ集」にひねりを入れた例として
・ゲームの キモ可愛い おじさん(マル秘さん案)
・ネット上で可愛い扱いされているブサキャラ

といった具合に、1段階ジャンルを絞るのがポイントです。

ネタ選定の悪い例と改善案

「ゲームのクラッシュ集」
wreckfest,バーンアウト,デストラクションダービー、beamNG、flatout、GTAなど。厳密にはネタとして入れてもいいのですが、"普通のクラッシュシーン"は絶望的と言えます。それは先述の通り、ゲームでのクラッシュ行為は、誰でも簡単に体験できるので、そこに意外性などの「伸びる要素」がないからですね。
例えば
・偶然起こった竜巻みたいな超絶ぶっ飛びクラッシュ
・一瞬で全車クラッシュする破壊兵器
・1000年に一度の珍クラッシュ
など、普通ではないシーンであれば面白い動画になります。

「ゲームの可愛いキャラ」
スライム、アイルー、ゼシカ、ホムラ、モンハン受付嬢など。これらは視聴者が簡単に思いつく基本的なもので、2chまとめの文章を読むくらいで満足できる。わざわざ10分もの動画で淡々と紹介しても、すでに知っている情報の刷り直しで、視聴者の時間を奪うだけになってしまう。

改善案として、
・スライムの隠しモーション、アイルーがおやじコスチュームになる裏技、実はブサイクになる受付嬢MOD。といったように「ひねり」を持たせると良い。
3年くらい前に「破壊が凄まじいレースゲーム」という動画をアップしたのですが、爆死しました・・・
https://youtu.be/PHhnobqpFNE

今でこそ20万再生行っていますが、やはり普通のゲーム紹介の範疇だったのが敗因でした。

わざとらしい撮影演出を心がける

視聴者が見やすいように「わざとらしい撮影演出」を意識しましょう。プレイしている側と、動画を見る側では、映像の見え方に大きな差が生まれます。下に悪い例と良い例を示します。

「溜め」を心がける

「溜め」とは、ネタのお披露目の前に期待を煽るために用いる編集技法です。すぐにネタバラシするのではなく、視聴者に「何なんだろう・・?」と思わせる時間を設けることで、エンターテイメントとしての動画の面白さが引き出せます。下記に悪い例と良い例を示します。

静止画状態は5秒以下にする

動画なのに静止画が長いと、視聴者は質の低い退屈動画だと感じてしまいます。基本は5秒以上の静止状態は作らないでください。

特に2Dのドット絵ゲームは、完全に静止するので動かしましょう。以下に悪い例と良い例を示します。

テロップデザインの基本形

黒背景の作り方
・図形に「クリッピング」を追加し、「上:1263 / 下:453 / 左:392 / 右:392」
・表示時間を5秒に設定(図形プロパティの上の青ゲージを右クリック「選択区間の長さを変更」 or 拡張編集タイムラインの青ゲージ右クリ「長さの変更」でやると正確)

テキストの作り方
・y:406.0 / サイズ:59 / フォント:游ゴシック(なければBiz ud ゴシック) / 太字
・図形と同じ表示時間に揃える

テロップの書き方

↑これだけでは動画としての面白みがないので、テロップに起承転結の流れをいれていきます。
今回は「ターゲット外し」のパートを例にします。

※「」で1テロップ分、空白は改行の意味
※文章は1文字でも短く、語彙力や言い回しの努力


「戦いたくない敵に狙われたら 結構だるい・・・」←前置き、経験談などから入ると良い(視聴者共感)。
「セーブポイント手前で全滅 なんて苦い経験も。」
「こんなときの救世主がこれ。」←ここからネタお披露目。
「はしご。」
「敵に狙われたとき はしごに掴まると・・・」←ネタ解説、あまり詳しく書きすぎない。
「このようにターゲットが外れる。」
「はしごの位置は 気にしておくと便利かも?」←まとめ、考察などを一言。
ゼノブレ3との関連性(ニアの話とマナナとリクの話)
(※下の文章の内容は適当です)

「ゼノブレイド3の公式動画には そっくりさんがいる。」←前置き、
「序盤に映っていた マナナとリク。」
「この2人・・・」←ネタお披露目
「ゼノブレ2の ホムラと〇〇に似ている。」
「スペシャルアートの配置と同じなのだ。」←解説、根拠資料など
~~~
「リクとマナナはゼノブレ2のパラレルワールドなのかも?」←考察、まとめなど

変則的な編集を徹底する

これは視聴者を飽きさせないために重要なポイントです。上記がうまくできても、この変則的な編集がなければ視聴者は見てくれません。

映像を見ればわかることだけを書かない

例えばゾンビが飛び出してくるシーンで
「これはゾンビである。」と書いても、それは映像を見れば誰でもわかります。テロップを削除するか、下記の技法を使いましょう。

[見れば分かる情報+補足情報]

「なんとゾンビの姿をした父親が現れた。」
これにより
・ゾンビであること
・父親であること
・現れたこと
という複数の情報が視聴者に伝わります。
映像を見れば分かることだけを書かないように心がけましょう。

あっちこっち話を変えないようにする

あれもこれもと、その場に見えるものを手当たり次第に言及することはやめましょう。視聴者はついていけなくなります。
例えばゾンビに追われているシーンで
「ここにはお供物があり、タンスを開くと御札がたくさん。床もどろどろで汚い。」
と情景だけを書いても、何を言いたいのかわかりません。
ここはあくまで、[ゾンビに追われている]ことに着目したテロップを書きましょう。

「お供物を食べると、怒り狂って追いかけてくる。そしてタンスの御札を剥がすと、ゾンビが消滅する。」

テロップの分割と間合い、映像入れまで

3段階で調整していくと頭パンクしない
↑画像の①~③の段階について

①テロップの起承転結まで書いて、テロップを追加した段階。しかしテロップがチカチカして単調なので下へ。
②文章の区切りごとに黒背景部分を繋いでいく。テキストだけが切替わる。しかしまだ適当な間隔でテロップが切り替わっているだけなので下へ。
③テロップ同士の間を開けて微調整の段階。テロップに合う映像を挿入していくので、適宜撮影しておくとスムーズ。

テロップを短くする

大前提として、今回のゼノブレ2の小ネタ集は、主にゼノブレ2をやったことある視聴者が観る。なので彼らが理解できる範囲でテロップを書くと良い。

「ストーリーを進めていると 強い敵に道を塞がれることがある。」

「道を塞がれること よくあるよね...」

・[ストーリーを進めていると]は、映像から読み取れるので不要。
・[強い敵に]は、弱い敵でも足止め食らうこともあるので、絞らず[敵]とした方が良い。しかし[敵]とすると、もはや映像のバトルシーンで読み取れるので[敵]すらも不要になる。
・任天堂ジャンルなので、テロップはフランクな書き方が丁度良い。



「そんなときに役に立つものがある。」

「そんなとき役立つものがある。」

・助詞[に]が2つ続いているので、視聴者には読み辛い。この場合は2つともカットすると読みやすい。



「するとこのように 敵からのターゲットを外すことができる。」

「するとターゲットが外れてくれる。」

・[すると]と[このように]はどちらも接続詞なので、どちらかカットする。口語では違和感なく聞こえるが、文語では二重接続詞となり読みにくい。動画の流れ的に[すると]を残すと自然。



「はしごだけでなく縄やツタでも 敵からのターゲットを外すことができる。」

「はしご以外に 縄やツタでも有効だ。」
・[敵からのターゲットを外すことができる。]は不要。すでに前のテロップで一度書いたので、視聴者の頭には入っている。
・[はしごだけでなく]は、平仮名続きで見辛いため、[ハシゴだけでなく][はしご以外に][梯子だけでなく][ハシゴのほかに]等、平仮名カタカナ漢字を対にすると良い。[梯子]は読めない視聴者がいるので、今回はひらカナが適切。




「戦闘で勝てなくて困っているときは 何か掴むものがないか探してみよう。」

「死にそうになったら "ハシゴ類"に避難しよう。」
・[戦闘で勝てなくて困っているときは]は助詞が多く読みにくいため、一言[死にそう]等でまとめると良い。
・[何か掴むものがないか探してみよう]は、すでに困った状態では探す余裕はないため、予め場所を把握しておこう、というニュアンスを込めて、[避難しよう]と書いた方が有用性がある。
・["ハシゴ類"]は造語。ハシゴ、綱、ツタをまとめる単語がないため、作ってしまってOK。

テロップを短くするコツ

・映像を見れば分かることはカットする
・二重表現になっていないか
・フランクな書き方を意識する
・1文字でも削れる言い回しを考える
・一言にまとめられないかどうか


テロップが短いお手本動画リスト(@Ogi 制作)↓
https://www.youtube.com/playlist?list=PLhAE-Yim7HHNriujTsBvzCNqPOYcJoU4y
これを真似すると良い。

執筆者Writer

AnTytle